介護は接客業と聞いたことがありませんか?
施設に入居されていれば、そう思わなくなることがありますが、介護保険を使っているとはいえ、利用者様とご家族様は、料金を払って施設を利用しています。決して安い金額ではありません。
もし、私たちが、ホテルへ泊まった時に、態度の悪い従業員がいれば『もう使いたくない』『他のホテルにすればよかった』などマイナスな感情が出ると思います。
そういったことがないようにするにはどうすればいいでしょうか
目次
<接遇ってどういう意味?>
接は「人に近づく」遇は「もてなす」という意味を表す漢字。接遇とは、おもてなしの心を持って相手に接するという意味をもちます。お客様により良いサービスを提供するためのスキルであり、円滑なコミュニケーションや信頼関係を築くためには不可欠な要素です。ホテルや百貨店が接遇に力を入れているのは有名ですが、介護や医療の現場にもこの言葉が定着しつつあり、顧客満足を目指したサービスを提供する施設・病院が年々増えています。
<介護職にとっての接遇とは?>
介護職にとって接遇とは、利用者さまとご家族さまとの距離をぐっと縮めるための大切なツール。お一人おひとりの満足度に直接つながると言っても過言ではありません。介護職として高度な介護技術を提供することはもちろん大切ですが、利用者さまの安心や信頼を得ることも、介護に取り組む上での重要なポイントと言えます。接遇スキルを磨いて、相手にとって「安心して接することのできる人」になれるといいですね。
<接遇のポイント>
介護のプロとして身に付けておきたい接遇。とはいえ、「利用者さまにどのように接していいか分からない、何をしたらいいのだろう…」とお悩みの介護士さんも多いはず。そんな方のために、業務中に使える接遇のポイントをまとめました!
<挨拶>
挨拶は最も基本的なコミュニケーション。挨拶をする時に気をつけたい点は、しっかりと相手の目を見ることです。誰に向けて話しているのかをはっきりさせ、気持ちを込めて、相手が聞き取りやすい声を意識しましょう。笑顔も忘れずに、自分から率先して挨拶できるといいですね。
<言葉使い>
人間関係を築く上でとても重要な言葉使い。利用者さまとお話する際には、馴れ馴れしい言葉や流行り言葉、専門用語などはなるべく使わないように気をつけましょう。また早口になると聞き取りづらくなるため、話すスピードや声の強弱も意識できるとベターです。丁寧さの中に親しみやすさも感じていただけるような言葉使いを心がけたいですね。
<聞く姿勢>
円滑なコミュニケーションには自分から話す力だけでなく、相手の話を聞く力も必要とされます。相手が言いたいことを上手に引き出すには、まず相手の話や意見を肯定しましょう。「相手が自分の話を聞いてくれている」という心地良さを与えるとともに、聞き上手になることが大切です。そして「ながら応対」はなるべく避け、相手の目線に合わせた姿勢でお話を聞きましょう。
<お辞儀>
お辞儀をするときは、両足をきちんと揃えて重心を前に置くことが大切です。頭だけ下げず、身体を腰までまっすぐにし、ゆっくりと前に傾けます。両手は身体の横または前につけて、猫背にならないように注意しましょう。
<身だしなみ>
身だしなみは相手への敬意を表すものであり、人の第一印象を決定づけると要因と言われています。介護の現場では、清潔感や機能性を重視した身だしなみを意識しましょう。服は汚れていないか、髪や爪は清潔か、メイクは派手すぎていないかなど自分自身でしっかり確認し、利用者さまやご家族の方に不快感を与えないように気を付けましょう。
<感受性を育む>
接遇というのは単にやれば良いのではなく、気持ちが伴わなければなりません。そのために必要となるのが感受性です。感受性とは「もし自分がその立場だったら?」と相手の立場に立って考える視点が大切です。
介護職にとっての接遇とは利用者さまやご家族の方に安心感を与え、信頼を得るためのツール。挨拶や言葉使い、身だしなみはもちろん、相手の状況や気持ちを理解して寄り添う姿勢が重要となります。「利用者さまとなかなか打ち解けられない…」とお悩みの方は、ご自身の接遇マナーを1度見直してみるのも良いかもしれませんね。接遇は介護のプロとして常に意識したいスキル。しっかり身に付けて利用者さまやご家族の方と良い関係を築いていきましょう!
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