介護施設でも勉強会として、中堅職員等が教える機会があります。
勉強会の内容が決まっているとただ調べるだけですが、新人職員に足りないものなどを勉強会で行うこともあると思います。
ですが、そういった時、何を教えればいいか困る。そんなに関わってないなどで教える内容が思いつかないこともあります。
ですので、今回は、新人への勉強会で使えるものを5つご紹介します。
目次
利用者の権利擁護を守ること
権利擁護は聞いたことがあるかもしれませんが、どういった時に使うかわからないと思います。
権利擁護のとは
日本国憲法において「国民はすべての基本的人権の享有を妨げられない」と規定されており、基本的人権は生まれながらに持っているものとして高齢になっても当然保証されなければならないものです。
また、幸福追求権に関する文言では「すべての国民は個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」とも規定されています。
しかし、高齢となり身体機能や認知機能が低下し自分1人での生活が難しくなると、人権や幸福追求権といった権利は侵害されやすい状況になります。実際に1人暮らしの高齢者をターゲットとした悪質商法やオレオレ詐欺、虐待など事件は枚挙にいとまがなく、高齢者の権利が侵害されています。
このような高齢者への権利侵害から命をはじめとして自由や社会参加、財産、幸福追求権などの権利を守るため取り組みを「高齢者の権利擁護」といいます。
引用先:ウチシルベ 高齢者の権利擁護
とーーても簡単に言うと
利用者様の権利と自由、財産などを守る為の取り組みを言います。
勉強会ではとても勉強になる内容ですが、少し難しい内容なので、それを嚙み砕いて勉強会にすることでしている方もいい勉強になりますのでお勧めです。
実際に介護を行っていると利用者様への自由などが守れない場面や、転倒リスクがあるから立たないようにしてしまうこともあると思いますし、服を介護士が勝手に選んだものを着てもらう。
その利用者が「この服がいい」と言ったにもかかわらず何の説明もなく、勝手に代えてしまうなども権利擁護を守れていないことになります。
プライバシーの保護
最近ではとても厳しくなっているプライバシーの保護ですが、職員によっては、意識の低い人が多くいます。
特に新卒などの職員は、学生気分が抜けないで、公共の場所で利用者様の話をしてしまうことで、個人情報が漏れたり、親戚、知人、ご家族が聞いてしまいトラブルになるケースがあります。
また、SNSで許可もなく画像を載せてしまうこともよくあります。
本人の中に危機感がなく、なにがダメなのかわからないと言ったこともあります。
『第三者に漏らさない』と誓約書を書いてもらているから大丈夫と思われている施設関係者の方もおられますが、実際、誓約書を書いているからとしっかりと理解している職員が何割いるでしょうか。
勉強会の内容として、
- プライバシーの保護の意味
- 危機管理能力
- 流出はどこから起こるのか
- 実際にあった事例、訴訟を具体的に説明する
その裁判は、ある業界で高名な高齢男性が、訪問ヘルパーをプライバシー侵害で訴えたもの。その訪問ヘルパーは、男性の家を訪れたことを、男性の実名入りで2度にわたってブログに綴った。裁判で被告側は「好意的な感情を持っており…」と、プライバシー侵害の意図を否定したが、裁判長はプライバシー侵害を認定。ヘルパーと会社に280万円の支払いを命じた。
引用元:介護求人ナビ
など調べるいっぱい出てきますので、事例も比較的用意しやすいですのでお勧めです。
リスクヘッジの取り方
ヒヤリハット報告書、事故報告書は聞いたことがあると思いますが、リスクヘッジの取り方も重要です。
リスクヘッジとは
リスク・・・『危険』
ヘッジ・・・『回避』
二つを合わせて、危険回避という意味の他にリスク軽減できるように工夫するという意味もあります。
もともとは金融系で使われていた言葉らしいのですが、介護の現場でも十分使うことが出来ます。
『“リスクを軽減できるように工夫する”』この言葉が介護現場でも使われるようになった理由だと思います。
介護の現場においては、利用者の転倒などのリスクが付き物!職員がどんなにがんばったとしても完全な見守り、転倒予防に努めることは出来ません。特に介護の人材不足が大きな原因になっています。その為、事故を0件にすることは出来ないが工夫して軽減させる方向にシフトチェンジしてきた為だと思います。
介護においても、工夫次第でリスクを減らすことが出来ることを勉強会に入れてみてはどうでしょうか?
👆は私の記事です。良ければご覧ください(^^♪
業務の進め方、円滑に進めるには
どんな施設でも、業務の進め方はあると思います。ですが、新人職員は、どのように業務を組み立てていいかわからないこともあります。
業務内容すら把握できていないこともあり、業務が遅いなどの問題が起きてしまうこともあります。
介護施設はサービス業ですので、決まったことだけをするだけではありません。なんらかの問題が起きたり、急変が起きたりと様々なアクシデントがつきものです。
そういったアクシデントや、業務をどのように進めていくかなどを勉強会で話をすることで新人職員もどのようにすればいいのかもわかるのでお勧めです。
また、教える側も、振り返りをすることができるので、業務の見直しをすることもできますので勉強会でしてみてはどうでしょうか
👆
緊急対応の方法
介護施設では緊急対応を行わなければならないことがよくあります。看護師がいるとしても、夜間帯などでいないこともあります。
そういった時にどのように対応すればいいのかなど、勉強会を使って詳しく説明することがとっても大事になってきます。
また、こういった場合はなど、事例を入れたり、実際の利用者様の状態を事例にしたりと近場で起きる可能性がある内容を入れると親近感があり、スムーズ覚えることが出来るかもしれません。
そして、救急隊員などが、どういったことを聞いてくるかなどを事前に知っていればいざ行かなければならないときなどに慌てず対応することができるので、勉強会にいれてみるのはどうでしょうか?
まとめ
今回は5つの内容をご紹介させていただきました。
新人職員にとってはすべてにおいて、未経験なことが多いです。
その未経験の内容を勉強会を通して、知ることで実際の業務や急な対応の際に慌てないで行うことが出来るかもしれません。
実際に経験する方がいいことは誰にでもわかると思いますが、新人教育で重要なのは、考え方であると思います。
考え方を知らない、進め方を知らないと人間回り道をしてしまいます。
ですので、先輩職員として、職員の道を教えてあげることで、より、いい施設に繋がると思います。
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