介護施設の職員は日々、精一杯業務を行ってくれています。
ですが、メディアなど、介護職員が虐待などを行った時には、大々的に広まっていきます。
ですが、虐待はどんな理由があったとしても行ってはならないことなのはみなさんもご存じ
だと思います。
近年では、北海道恵庭市の老人ホームで起った耳たぶが取れ男性利用者を負傷させたなど施設での虐待が表面的に出てくるケースが多くなってきました。
日々、一生懸命に仕事をしているにも関わらず、どうして虐待を起こしてしまうのでしょうか…
何らかの原因があるのかもしれません。
その原因が分かることで、虐待しないように取り組めるかもしれません。
目次
介護施設で多い虐待の種類
虐待と一言で言っても種類はざまざまあります。
身体的から精神的まで様々ありますので、一つずつ簡単に説明していきます。
身体的虐待
・『暴力』によって身体にアザ、傷、痛みなどを与える行為で意図的である。
意図的に、殴ったり、蹴ったりと暴力を振るうことを言います。
心理的虐待
・『暴言』『脅し』『侮辱』など言葉や態度で嫌がらせを行い精神的な苦痛を与える。
侮辱的な言葉を使ったり、脅しのような言葉を使うなども虐待になります。
性的虐待
本人の同意なく性的行為やその強要を行う。
経済的虐待
財産や金銭を本人の合意なく使用したり、本人の金銭を制御する。
本人の意向を聞かないで、金銭を勝手に使用することも、虐待になります。
ネグレクト
サービスの利用を妨げる。無視をする。世話をしないなどがあります。
必要な介護サービスを行かせなかったり、放置したりと高齢者の生活環境、身体、精神に悪影響を及ぼすことを行うことはもちろん虐待になります。
などの5つが虐待の主な種類になります。
実際に介護施設起った虐待事件
最近(令和2年7月19日現在)、利用者に対して虐待をしてしまった職員が逮捕される
ニュースが目に付くようになってきました。
「耳たぶが取れた」78歳男性入所者の耳引っ張り負傷させる…28歳介護士の男逮捕”ストレスがあった”
北海道恵庭市の老人ホームで、入所者の男性の耳を引っ張るなどして怪我を負わせたとして、28歳の介護士の男が傷害の疑いで逮捕されました。
引用先:ヤフーニュース
介護施設の職員による高齢者への虐待が、2018年度に県内で3件3人(前年度比1件増1人減)あったと発表した。このうち心不全の持病があった80代男性1人が病院搬送から約1カ月後に死亡した。施設がある自治体は、施設長が男性が体調を崩した際に適切な対応を取らなかったとして「介護等放棄」の虐待と判断した。
引用先:福井新聞
厚生労働省の調査結果で高齢者虐待が平成29年度は510件、平成30年度は621件
虐待の判断が出ています。
1年間で111件増えているってとても悲しいことですよね…。
ストレスが原因で虐待が起きてしまう
僕が働いていた施設で虐待を行ってしまった
職員のほとんどがストレスが溜まって虐待を
してしまったと答えた。
ストレス溜まっていたってあるけど、
介護職ってそんなにストレスがあるの?
介護職員にとってストレスは日々積み重なっています。
理由として、認知症ケアの難しさ、人為不足が慢性的である、職場内の人間関係の悪化などがあります。
認知症を持たれている方のケアの難しさ
認知症と言っても様々な症状、BPSDを持たれている方などがおられます。
そういった方一人ひとりでケア方法が異なり、介護拒否、暴力(殴られる。つねられる。)暴言(きらい、どっかいけなど)は日常茶飯事です。
そして、大きい声を職員が出したり、表情を変えるとより不穏が増えていくこともあります。
慢性的な人為不足
介護施設では、慢性的な人手不足になっています。
新卒の求人では、地域にもよりますが、だいたい一人に対して2~3ほどの求人が出ますが、実際はに入職する
新卒の方はごく僅かにしかいません。
そうした中で、派遣などでしのいでいる施設は多くありますが、派遣の場合、会社自体が嫌がることが多く、一時しのぎの場合がほどんど。※時給が高いことが嫌がる原因
一時は少し楽になってきた仕事もすぐにつらい毎日の元通りになるケースはよくあります。
職場内の人間関係の悪化
職場内の人間関係の悪化は深刻な問題の1つです。
「職場の人間関係に問題があった」(24.7%)
なんと24.7%の職員が職場の人間関係に問題があったという報告があったという記事がありました。
実際、私が働いている職場でも退職者のほとんどが
人間関係が悪化したことによる退職希望がほどんど
を占めています。
虐待を起こさせない為には、どうすればいいか
虐待をしてしまう背景がわかったと思います。
ですので、次にどうすれば虐待を防止することができるのか、どう対策を取れば虐待から利用者を守ることができるのかを知る必要が出てきます。
虐待を行った職員は悪いことは事実ですが、その対策をしてこなかった施設にも問題があります。
そして、そういった対策を行う為には、ご家族様、職員一人ひとりにも協力をしてもらう必要があります。
施設的問題解決
施設において、実施しなければならないことは、まずは、職員のストレスケアに努める必要があります。
そして、職員への指導、教育の充実を図ることも欠かしてはいけません。
ストレスケアの方法
- セルフケア
- ラインケア
- 外部機関、専門家によるケア
の3つがあります。
セルフケア
セルフケアは自らが行う方法のひとつです。
チェックシートをしている施設もあれば、自己の判断だけで行う方法もあります。
従業員の職場ストレスの「セルフケア」とは、従業員自らが行う、ストレスへの気付きと対応のことをいいます。
従業員自身が気付き、自発的に、有給休暇を使ったり、もっと重大な事態の場合には、休職を申し出たりするなど、ストレスを未然に防ぐことができれば、労働問題にならずに予防できる可能性も高いでしょう。
ただし、会社としても、「ストレスを感じるかどうかは個人の問題。」「従業員がセルフケアでなんとかすべき。」という態度では問題があり、次に解説するとおりのケアを行うとともに「セルフケア」をしやすい指導、教育体制や啓発が必要となります。
引用先:弁護士法人浅野総合法律事務所
ラインケア
従業員の職場ストレスの「ラインケア」とは、管理監督者が行う、職場への改善と相談対応のことをいいます。
「ライン」とは、指揮命令系統のことをいい、社長(経営者)がトップとなり、その下に取締役、管理職、部下と続く「ライン」のことをいいます。
従業員個人が、自分のストレスに気付いて「セルフケア」をするだけでは不十分な場合には、上司や管理職が労働者のストレスに気付き、積極的にケア(ラインケア)してあげる必要があります。
会社としても、管理職研修、役員研修を行うなどして「ラインケア」を行いやすいよう、上司の指導に努めなければなりません。
引用先:弁護士法人浅野総合法律事務所
外部機関、専門家によるケア
産業医など、法律に定められた機関によるケアでいきとどかない職場ストレスについては、外部機関や専門家の手を借りてケアをする方法があります。
例えば、精神疾患に専門的な知識を持つカウンセラーや精神科医、相談員を会社内に配置し、従業員に対して、ストレスについてより相談しやすい環境をつくる、という方法があります。
更には、人事労務の専門的な知識、経験を持つ弁護士や社会保険労務士(社労士)の手を借りて、職場ストレスの大きな原因となっている長時間労働、ハラスメントを予防することも必要です。
当然ながら、違法な残業代未払い、過労死ラインを超えるほどの長時間労働、違法なパワハラ・セクハラなどがあってはなりませんから、相談、被害報告があれば、即座に対応が必要となります。引用先:弁護士法人浅野総合法律事務所
介護施設でも医師へ判断してもらえるように
会社も対策をしていくことが重要になる時代
になったのだと思います。
職員への指導、教育の方法
職員への指導、教育を充実させることで、虐待への予防につながります。
- OJTの充実
- Off-JTへの参加
の2つがあります。
OJTとは
OJTは職場内研修をいいます。
上司、先輩に指導を受けて、日々の業務の中で、知識、技術を学ぶことが出来、継続的にも、計画的にも指導することが出来る社内研修を言います。
Off-JTへの参加
Off-JTは職場外研修を言います。
介護職でも外部の研修へ行く機会あると思います。
人為不足で参加させれていない施設も実際多くあります。
ですが、外部研修は、日々の業務では知ることができないことをしっかりと学ぶことが出来る方法です。
家族的問題解決
- ご家族様とは良好な関係を築くことは解決の近道
- ご家族様からすればたった一人の家族
- 現状をしっかりと理解してもらっておく
この3つがとても重要になります。
ご家族様とは、しっかりと良好な関係を築いておくことで、家族的問題解決に繋げることが出来ます。
職員としては、何人もいる中の一人かもしれませんが、ご家族様からすれば、たった一人の家族です。
家族になにかあった時には、怒ることもあるかもしれませんが、しっかりと現状を伝えておくことで問題、トラブルが起きにくくなります。
ご家族様とは良好な関係を築くことは解決の近道
ご家族様と良好な関係を築くことで、問題、トラブルを減らすことが出来ます。
方法として、小さいことでも電話や手紙で利用者様の状態をお知らせしたり、面会に来られた時には、職員からご家族様に話しかけてに行き、近況報告を行ったり、問題の可能性の話をすることが重要です。
そういう小さいことの積み重ねでご家族様との信頼関係を構築することが出来ます。
ご家族様からすればたった一人の家族
ご家族様からすれば、たった一人のご家族なのかわかると思いますが、その利用者になにかあったときには上記の信頼関係が構築出来ていなければ高確率で問題、トラブルに発展します。
ですので、しっかりと信頼関係を構築していきましょう。
現状をしっかりと理解してもらっておく
信頼関係を構築していたとしても、急に状態の変化があれば、話は変わってきます。
現状のことを隠さず、明確に伝えておくことで、ご家族様も心の準備を行うことが出来ます。
ですが、現状を伝えていないばかりに、急に言われてもご家族様も心の準備ができないで、その矛先を介護職員へぶつけてしまうこともあります。
そうならないためにもしっかりとご家族様とコミュニケーションを取っておくことが大切です。
職員間の問題解決
職員間の問題が一番ストレスを感じてしまうものです。
ですが、方法はとても簡単です。
という記事を書いています。
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